ヴァンパイア(1/700|タミヤ|ウォーターライン・シリーズ) |
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上の画像は大日本絵画っぽいネタです(笑)。こんな感じのコピーをつけてくれそう。製作記はこのあたりに。 実艦について 〈ヴァンパイア〉はアドミラリティV級の嚮導駆逐艦で、1917年9月に完成しました。既に就役していたS級駆逐艦の嚮導駆逐艦を想定して設計されましたが、大戦中のことであり効率優先、R級の船体と機関をベースとしたため、要求速力(36ノット)より遅い34ノットしか出せませんでした。 1933年、〈ヴァンパイア〉他〈スチュアート〉〈ヴァンデッタ〉〈ヴォイジャー〉〈ウォーターヘン〉がオーストラリア海軍へ貸与されます。第二次世界大戦が勃発すると、これら「屑鉄艦隊」はシンガポールを経由して地中海へ進出。当初はマルタ島を中心に、後にアレキサンドリアを拠点として主に船団護衛任務に従事しました。イタリアが参戦してからは、北アフリカにおけるイギリス陸軍の攻勢支援やギリシアからの撤退作戦に参加しています。 1941年12月、〈ヴァンパイア〉は〈プリンス・オブ・ウェールズ〉と〈レパルス〉を中心とするZ部隊に編入されますが、日本軍機によって両艦は撃沈されます。〈ヴァンパイア〉は〈エレクトラ〉とともに〈レパルス〉の乗員を救助しました。その後〈ヴァンパイア〉は日本軍によるセイロン空襲の際、空母〈ハーミーズ〉を護衛するも〈ハーミーズ〉は爆沈、自身も爆弾一発の命中を受け、船体を半分失って沈没しました。 キットについて 「マレー沖海戦セット」に同梱されていたものですが、意外に早く単品売りされました。もともと割高なセットだったため、在庫している小売店の方がかわいそうです><。 左右分割の船体に上甲板と艦底板を接着する方式で、合いが良いのでストレスなく組むことができます。ただ、舷側のモールドを傷つけることなく艦底板の継ぎ目を完全に消すのは難儀なので、ほどほどに処理するのがベターかと思います。 主砲の4インチ砲は防盾と一体になっていて残念。後ろを掘り込むか、黒く塗って誤魔化すかします。 主砲、魚雷発射管はポリキャップを使った可動式ですが、ポリキャップとポリキャップ受けのテンションが緩いので、接着剤で固定したほうが良いでしょう。 タミヤらしくない点をあげると、主砲と高角砲側面に押し出しピンの跡があり、後者はそのためにモールドが損なわれているので修正が面倒です。またボートの内側にも同じくピン跡があり、ここも修正が困難。装備品セットのように底面にもってきてくれれば、修正するにしても無視するにしても面倒なしだったのですが。 製作について web上の資料では、〈ヴァンパイア〉は1941年4月にアレキサンドリアで12インチ砲を、1942年1月にシンガポールで2ポンド砲2基を装備しています。12インチ砲とはキット付属の76ミリ高角砲のことであり、ではキットは1941年4月の状態かと言えば少し疑問で、もともと搭載されていた2ポンド砲(20mm4連装ポンポン砲)が見当たりません。そこで「SEA POWER CENTRE AUSTRALIA」の記述を頼りに、地中海で作戦中の〈ヴァンパイア〉を製作したいと思います。 (1)武装 (2)防弾板 (3)後部マストと魚雷発射管 (4)探照灯台 塗装について せっかくなので、タミヤカラーのロイヤルライトグレー(XF80)を船体色に使ってみました。甲板も指示通りにニュートラルグレー(XF53)。甲板色は507aだと思われるので、もう少し濃くても良かったかも知れません。 少なくとも地中海で作戦中は、〈ヴァンパイア〉は迷彩が施されていました。ちょうど左右両舷の写真があったので、(その写真が同時期のものとは限りませんが)写真を基に船体を迷彩塗装しています。上部構造物にも迷彩が施されている可能性もありますが、何とか確認できた煙突のみ迷彩塗装しています。その他、細部の塗装はキットの指示に従っています。 キットには艦番号「D68」のデカールがついていますが、写真を見ると「I68」になっています。そこでデカールを切り貼りして「I68」にしてみました。 最後に アドミラリティV級は、華々しい活躍のない地味艦ではありますが、第一次大戦、そして地中海での作戦、インド洋での死闘と、老齢に鞭打って数々の任務をこなしてきました。5500トン型軽巡の奮戦に通じるものがあり、どこか親近感を覚えます。 〈ヴァンパイア〉の名は戦後、ダーリング級駆逐艦DD-11に受け継がれ、退役した二代目はシドニーの国立海事博物館で実際に乗り込むこともできます。こちらはOzModzからレジン・キットが発売されていたようです。
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